ウマ娘についてヲタク特有の早口で語らせてください
はじめに
こんにちは。YUKI(@freedom_0117)です。
みなさんはウマ娘という作品をご存じでしょうか?
『ウマ娘 プリティーダービー』とは、Cygamesによるスマートフォン向けゲームアプリとPCゲーム、およびそれを中心としたメディアミックスコンテンツ。略称は『ウマ娘』。(Wikipediaより)
上記記載の通り、ウマ娘はアニメだけでなく、スマホゲームなど幅広く展開されているコンテンツです。
歴代の名馬を擬人化したアニメであり、かわいいキャラクターがコースを全力疾走する姿が描かれています。爽快感や疾走感、名馬の歴史についても踏まえた物語となっています。「競馬」をアニメ化したということもあり、非常に注目を浴びた作品です。
前置きは置いておいて、とにかく本作品はがっちりと私たち視聴者の心を鷲掴みにして話さないような作品です。努力・葛藤・挫折・挑戦・協力…ありとあらゆるエピソードが詰まった珠玉の名作と言えます。
本記事では、そんなアニメ『ウマ娘』の見所をご紹介させてください。
『ウマ娘』の世界
アニメ、ウマ娘のキャラクターはすべて歴代に登場した名馬の名前になっています。この作品に登場するスペシャルウィークやサイレンススズカ、ウォッカ、ダイワスカーレットなども歴代の名馬です。競馬を知らない人でも一度は聞いたことがある、メジロマックイーンやトウカイテイオーなども登場しています。このことから、競馬を知っている人もそうでない人も、十分に楽しめる作品です。
また、ウマ娘は通常のヒト族とは少し異なる神秘的な種族です。
ヒトと明確に異なる点として「ウマの耳」と「ウマの尻尾」、そして「驚異的な身体能力」を持っています。
このエピソードは見逃せない!アニメ『ウマ娘』の名エピソード3選!!
基本情報として、アニメ1期では、主にスペシャルウィークというウマ娘を起点に物語が展開されていきます。スペシャルウィークは北海道から上京してきた元気印のウマ娘で、生まれてすぐに母と死別するという悲劇的な経験をしていますが、育ての親の"お母ちゃん"から沢山の愛情を受け、ちから強いまっすぐな性格です。どんな逆境でも決して諦めない努力家な姿からはきっと多くの方が勇気づけられた経験があるでしょう。私もその中の一人です。
そして2期では、トウカイテイオーという明るくて活発で、そして輝くような笑顔が眩しいウマ娘にスポットが充てられます。身軽で跳ねるような独特のフットワークは"テイオーステップ"と呼ばれ。性格は勝気で少し生意気。プライドが高く、怒りやすい面もありますが、レースに対する情熱は誰よりも強いです。まさに主人公にふさわしいキャラクターと言えます。
それでは是非とも皆さんに見ていただきたいエピソードを3つ、ご紹介したいと思います。
1.第1期 第7R『約束』
本エピソードの舞台は天皇賞秋。常にトップを走り続けているサイレンススズカにまつわる競馬界の歴史に残る伝説のレースです。まさに神回の一つ。
躍動感がありつつ、スマートな走りが表現されている演出はお気に入りの作画の一つです。優勝間違いなしのコンディションであったはずのサイレンススズカでしたが、『沈黙の日曜日』と言われる悲劇を彼女を襲います。そんな彼女を救ったのは…
※以下は実際の1998年11月1日東京競馬場第11レースの映像です。
詳細は本編を見ていただきたいので伏せさせていただきます。
このエピソードをお勧めするのは、誰かのために行動すること、どんな悲劇が自身を襲ったとしても何度も立ち上がることの大切さ。一見簡単なことかもしれないけれど、実行し続けることはとても難しい。だからこそすごくグッとくるエピソードでした。
果たしてこの先このエピソード以上の感動は訪れるのか、と思ってしまうほど素晴らしいエピソードですね。
2.第2期 第6話 なんのために
本エピソードは「皇帝」の異名を持つシンボリルドルフに憧れ、ルドルフと同じ“三冠ウマ娘”を目指してトレセン学園に入学したトウカイテイオーにまつまるエピソードです。
彼女は皐月賞と日本ダービーに勝利し、秋に開催される菊花賞に勝つことができれば“三冠ウマ娘”になれる所でした。しかし、日本ダービー後に骨折していることが判明し、年内休養となってしまったのです。
“三冠ウマ娘”になれませんでしたが、“無敗のウマ娘”で居続けることを次の目標にして挑んだ春の天皇賞。しかし、メジロマックイーンに敗れ、初の敗北を経験したのです。無敗のウマ娘という目標も失い、無気力な日々を送っていました。トレーナーからはチームスピカのリーダーとしてある場所へ向かうよう言い渡されます…
“三冠ウマ娘”、“無敗のウマ娘”、大きな目標を掲げていたトウカイテイオー。しかし彼女の成績を見るとそれは決して不可能な目標ではありませんでした。それだけの目標を掲げ、着実に鍛錬を積み重ねているからこそ、彼女はここまで成長したのだと思います。一方で、それが実現できなかったことでのショックも大きいことは確か。
「自分は何のためにレースに出ているのか」
「私はなぜ走っているのか」
「どうしてみんなそんなに必死になれるのか」
今までは太陽のような存在でムードメーカーであるトウカイテイオーが、このような葛藤をしている姿は非常に胸が苦しかったですね。何度も何度も自問自答し、出口の見えないトンネルを走り続ける彼女でしたが、やがて走ろうと思えるきっかけを掴むのです。
それは「悔しさ」です。中山で行われたレースで、トウカイテイオーはメジロパーマーの11着に敗れました。負けたことによりトウカイテイオーは「負ける悔しさ」を知るのです。
本作品の見どころの一つとして、勝者と敗者の両者にスポットが充てられていることが挙げられます。勝ち続けるにも大きなプレッシャーや責任が伴います。他方で、負けることで学び、自分を見つめ直すこともできる。決して他罰的にはならず、自分と向き合い、現状を改善していく彼女たちの姿には胸を打たれてばかりです。
3.第2期 第13話 夢をかける
マックイーンは天皇賞秋の4日前に「繋靱帯炎(ていじんたいえん)」を発症してしまいます。進行具合にもよりますが、治すことが難しい病気のひとつです。
「貴女との約束は…果たせない…」
倒れ込み、抱え込んでいた想いや感情を全てさらけ出すマックイーン。これまでトウカイテイオーのライバルとして弱音を見せてこなかっただけに、見ていて非常に辛い場面でした。走れなくなることに加えて、「トウカイテイオーの目標になることができなくなってしまった」「トウカイテイオーと勝負することができなくなってしまった」ことへの悔しさが大きかったのかもしれません。
そんな彼女に対して、「運命は意地悪」だと話すテイオー。
2期はどちらかと言うと成功よりもその過程で起こる苦しい部分にスポットが充てられることが多いと感じます。まさに現実と同じで、一つの成功にはそれをはるかに上回る失敗があるんだとつくづく感じさせられます。
そして、テイオーは「だから起こすよ、奇跡」と言葉をかけ、有馬記念への出走を決めます。当時のシーンを振り返るだけでもトウカイテイオーの人柄の良さに涙ぐんでしまう私ですが、この後のトウカイテイオーの走りを見た後にはまさに涙腺崩壊していました。
人は誰かのためを思うことでもっと強くなれる。トウカイテイオーは本当の意味で強い女性だと思います。
ついに有馬記念がやってきます。
ビワハヤヒデ
ウイニングチケット
ライスシャワー
トウカイテイオー
レガシーワールド
ベガ
メジロパーマー
ツインターボ
ヤマニンゼファー
セキテイリュウオー
トウカイテイオーのほかにも堂々たる顔ぶれが集まり、ブランクのあるテイオーは圧倒的に不利です。ここから「意地悪な運命」を覆そうとするトウカイテイオーの大舞台が始まるのです。
出走前の控室にて、トウカイテイオーとシンボリルドルフの会話でこんなやりとりがあります。
テイオー「会長はどうしてた?絶対に勝ちたい、そんな状態の時。」
彼女の手は震えていることから緊張なのか武者震いなのか、大舞台を前に気持ちが張っていることが伝わってきます。
ルドルフ『難しいな。レースに出る全員、勝ちたい気持ちは同じはずだ。勝利のために己を錬磨し、力を高め集中し、勝負に挑んでいる。にも関わらず、たとえどんなに万全で最好調だったとしても勝負の綾はある。レースに絶対はない。だが、自分の中にある信念、絶対に揺るがない気持ち、これは誰にも動かせない。』
本当の強さとは何か、それを知っているルドルフだからこそ出た言葉だと思います。二人を見ていると強い師弟関係や友情関係とも言える関係性が築けていると思います。
そんなルドルフの言葉を体現するように、ありとあらゆる不安要素を振り払う力強い走りをみせ、トウカイテイオーはビワハヤヒデとの一騎打ちを制します。一呼吸一呼吸を繊細に描くシーン。不可能を可能にする奇跡が起きる瞬間を目にしたマックイーンの表情。瞬きすら許されないこれ以上ない名シーンでした。まさにこの瞬間、トウカイテイオーは皆に勇気を与える"帝王"となったのです。
※以下、実際の1993年有馬記念の映像です。
Eclipse first, the rest nowhere.
『唯一抜きん出て並ぶ者なし』
これは第1期にて、トレセン学園のスクールモットーとして出てきた言葉です。"抜きん出る"とはただ足が速いだけでは決してないと思います。揺るがない信念であったり、仲間のために進み続ける姿勢、そんな人間性的な要素も含めて唯一無二である。それが"抜きん出る"ということなのだと私は思います。
トウカイテイオーは1期、2期を通してEclipse first, the rest nowhere. を体現したのです。第13話を見て真っ先にこの言葉を想起しました。トウカイテイオーは本当に素晴らしいウマ娘ですし、強く気高い女性だと思います。
さいごに
ここまで読んでいただきありがとうございます。ウマ娘という作品は、私たちに「努力することの大切さ」「誰かのために全力を尽くすことの大切さ」を競走というシンプルなシステムで教えてくれます。
本作品を通して皆さんは何を感じ、どんな気持ちの変化が起こるのか。
そう考えてやまないくらい影響を与えてくれる素晴らしい作品です。
ぜひ皆さんもウマ娘を見て頂けると嬉しいです。